愛を。

看護師ケアマネ。愛すべき利用者との関わりをちょっぴりフィクションほぼノンフィクションで。(記事の編集を随時行っています)

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

忘れる人

神様は認知症という素敵な贈り物をした。 長生きのご褒美です。大事なことも忘れますが、年を取って何が大事なことなんてそんなにあるでしょうか。 嫌なこと、嫁にいじめられたこと、夫からされた仕打ち、息子に叩かれたこと、そんなことも忘れてしまい、ほ…

拒絶する人

生きることを拒否した人は、孤独を貫き最期を迎える。 利用者の妻が倒れ入院が長引き、介護の認定を受けている夫は在宅での生活が難しくなった。 いやサービスを受けてくれたら何とか在宅は可能なのだが・・・ ショートステイ先では暴言を吐き、早々に帰され…

呼び戻す人

夫婦というのは共依存そのものか。 無自覚に長い年月をかけてそれは形成される関係。 その夫婦と知り合って5年以上経つ。 最近利用者である夫は誤嚥性の肺炎を繰り返し、入退院を繰り返していた。 病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)は、ほとほと困っていた…

セーターを編む人

その人は寝ていた。 昼間何もすることが無かったら寝るしかないよね。 編みかけのセーターは私が担当になって4年以上経つが、殆ど進んでないような… 行く度に「少し太りなさったんじゃない?」と言われ、毎月見た目わかるぐらいの1㎏太ってたら3年で36㎏オー…

社会的地位の高い人

比較的社会的地位の高い老夫婦のお宅。 お嫁さん、お手伝いさんを囲みながらの遅めの朝食中だった。 ケアマネの訪問も数年のお付き合いにもなれば、応接室や座敷などではなく、こういった食事中と言う場面にもお邪魔させて頂けるようになる。 お客さんじゃあ…