3月とは言え、冷たい風を受けながら薄暗くなっていく駅までの道を歩く。 この角を曲がったところに父と娘は暮らしていた。 その父親が亡くなった家で彼女はまだ1人でいるのだろうか。 あちこちの家から夕飯の臭いがしてくる。 彼女もまた父親のために毎日食…
商社マンだった夫は、自分が何年も病院にかかっていて、血圧の薬を飲んでいることを妻には内緒にしていた。 ある日突然家の中で倒れ、その後脳梗塞の後遺症で左半身麻痺・高次脳機能障害を抱えることになった。 高次脳機能障害とは、人が人間らしさを発揮で…
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